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Pyrenees
   1日目(アルベールヴィル〜クレルモンフェラン)
 ティーニュでのスキーを終えた私は迷っていました。 というのも、アルプスはあまりに雪がなかったからです、それにピレネー山脈(スペインとの国境にある高山地帯)の方が雪があるという情報も入ってきていました。 「よし、こうなったらひとつでも多くのところに行こう、いろんなものを見てやる」 というわけで、アルプス以外のスキー場を巡る旅が始まりました。 今度は一人旅、地図を片手に見知らぬ道、しかも右側通行をひたすら走らなければならない。 最初に目指したのは中央高地と呼ばれるところ、その名の通りフランスの真ん中にある高原地帯です。

   2日目(クレルモンフェラン〜トゥールーズ)
 中央高地の入り口となる街、クレルモンフェランにいた私はかなり不安でした。 「雪山が見えない・・・」半信半疑で標識に沿って進んで行く。 山道を登るにつれて、道路はどんどん狭くなってゆく、ここまで来ると快適で広いフランスの道路は日本のそれとは変わらなくなっていた。 最初に着いたのは、モン・ドールというスキー場。 確かに雪はありました、正確に言うとスキー場の半分から上に。 平日だけあってスキー場も街も人影は疎ら、むしろ寂しい印象さえ受けてしまいます。 おまけに今にも雨が降りそう、ひょっとしたら上は降ってるかも。 次を目指すことに。
  モン・ドールの山をちょうど、ぐるっと半周する感じで着いたのはスペール・ベースというスキー場。 回復した天気も手伝ってか、こちらの方が少し賑やかな印象を受ける。 コンドミニアムタイプの施設も見られる。 きっとこの辺りは夏の避暑の方がメインなんだろう。 こちらもリフト1〜2本だけの営業、スキー教室の子供たちを見ながら昼食をとって、早々とスキー場を後に。 スキー場のパンフレットに映る見渡す限りの白い世界と樹氷に覆われた樹木が虚しかったです。
   訪れたその他のスキー場:ル・リオラン

   3日目(トゥールーズ〜サーンラリー・スーラン)
 自分が今何処にいるかわからぬまま、高速道路の標識だけを頼りにトゥールーズの街を走り抜ける。 100kmほど走ると、雪に覆われたピレネー山脈が見えはじめ、高速の降り口にスキー場の案内標識も見られる。 しかし、最初にどこのスキー場に行くか決めてなかったため、結果として道に迷い、遠回りをするハメになり、また、詳細な地図が必要であることを教えられる。 「ピレネーもデカイ山なんだなぁ」と、山道を走る。 フランスの山道にはガードレールもなければカーブミラーもない、対向車とすれ違うのもやっとだったりする。 もし道路を外れたらかなりの距離を「落ちる」ことになる、でもカーブミラーに頼らないから運転が慎重になるのも事実。 夕方、サーンラリーの街に着いた時には、雨が降っていました。
   訪れたその他のスキー場:バレジュ、ラ・モンジー

   4日目
 サーンラリーの街からロープウェーに乗りスキー場を目指す、昨日街に降った雨は、山では雪になっていました。 そして、今日は晴れ。 ノートラックを目指してひたすら滑る。 やや重い雪だが、膝丈のパウダーを堪能。 街もスキー場も大きいし、スノーパークもしっかりある、オススメ度5つ星のスキー場です。

   5日目
 サーンラリーからクルマで30分、ピオ・アンガリというスキー場を滑る。 昨日に引き続きひたすらパウダーのみを狙う。 横に広く、余分な起伏の少ないゲレンデはリフトに乗りながらいたるところにあるノートラックを探すことが出来た。 また、森林限界を超えているので、これでもか!というくらいの大きなターンで斜面を駆け抜けることが出来た。 ここだったらシーズン通ってもいいかなと思う、標高2000〜2500mは伊達じゃない。
 スキー場の帰り道、近くに国境があったので行ってみることに。 EUとなり廃墟となった検問所、誰もいない真白い世界にただ延びる1本の道はスペインという外国につながっている、日本にはない(国境を越える)という行為に緊張感が走る、てゆーか、人気のなさにビビる。 やたら長いトンネルを抜けると道路標識がスペイン語になっていたが、山奥であることには変わりなく、やはり人気もない。 いや、スペインだからっていきなり治安が悪くなっていたら、これはこれで困る。 とりあず、国境は気軽に越えるものだとヨーロッパを実感。

   6日目
 昨日、山の向こうに見えた八方尾根のようなスキー場を目指す、名前はピラグード。 2つのスキー場がつながっているだけありそれなりの規模はある。 2日もパウダーに当たると3日目も・・・と思うが、3日目も続いたのは青空だけでした。

   7日目(サーンラリー・スーラン〜フォア)
 いくつかの面白くなさそうなスキー場を横目に結局丸1日を移動に費やす。 道中、全てが灰色の石で出来た街に出会う、まるでドラクエの世界だ。 そういえば、ピレネー周辺は建物に木を使っていない、とにかく石である。 ここら辺は木があまり生えてないから当然なのかな。
   面白くない
   訪れたその他のスキー場:ルーションスペールバニェル

   8日目(フォア〜アンドラ)
 朝、たまには観光もしなきゃとフォアのお城を訪ねる。 左の写真のようにお城がでーん、と建っています。 これぞヨーロッパ! ・・・しかし、日曜日のため休館。 朝霜で濡れた街を散歩してさっさとフォアを出る。 昼からアクス・レ・テアムというスキー場を滑る。 トゥールーズから約100kmといちばん近いらしい。 日曜日であることも重なりかなりの人で賑っている。 人々がゲレンデを楽しむ中、私1人でコース外へ・・・。 ここのスキー場はツリーランが楽しめます、しかも緩斜面から急斜面、ポカポカ陽気の南斜面からバツグンの北斜面まで。 もう少し雪があればなぁー、なんて言うと「いや、去年はもっとひどかったよ」とはリフトで隣に乗り合わせたオヤジの弁。
 夕方、隣国アンドラへ向かう。 驚いた、キツネにだまされてるみたいだった。 輝くネオン、軒を連ねるブティック、そして人、人、人。 ついさっきまで雪深い山の中走ってたんだよ、俺・・・。
 山の斜面、そしてとんでもない落差のヘアピンカーブに沿ってこれでもかというくらいの高層建築物が立ち並んでいる、まるで熱海や草津のイメージ、ドラクエ的に言うと後半あたりにたどり着く、値段の高い武器を売っている町。 ・・・って、よく分かんないけど。 規模は小さめだがアンドラの首都、アンドラ・ラ・ベラには首都らしくなんでも揃っていました。

   9日目
 記念すべきアンドラ第1回目のスキー場、アリンサルとパルは全滅に近い状態で雪がなかった。 かろうじて人口降雪で一部を営業してる模様。 しかし、麓のヴィレッジからお客がどんどん登ってくる、しかもほぼ全員その足でまずレンタルショップへ向かう。 おかげでゲレンデは閑散としてるのに各スキーショップには行列ができていた。 雪さえ降ればアンドラのスキーの未来は明るい・・・。
 スペインとフランスに囲まれた小さな国「アンドラ」は観光が収入源のようです。 taxフリーによる買物天国、香港しかり。 と、いうわけでこの1日をショッピングに費やす。 ここは何でも低価格で手に入る、フランスのブランド品、日本の電気製品、アメリカのタバコ、ガソリンもしかりでリッターあたりハイオクが70ユーロ! 以前はペセタ(スペインの通貨)だったらしいが今はユーロ、両替の必要もない。 お店に入るときには「オラ」(スペイン語でこんにちは)そのあと英語が話せる店員には英語、フランス語が話せる店員にはフランス語でやりとりをしましたが、スペイン語しか話せない店員にはもう、身振り手振りである。 これも海外ショッピングの醍醐味といえば聞こえはいいが・・・。 ちなみにオークリーのゴーグル(120ユーロ)などを購入。

   10日目
 祈る思いでスキー場へ向かう。 この日滑ったスキー場、ヴァルドルディーノはかなりの山奥。 前のスキー場よりも雪はあった、よかった、滑れる。 が、決して多くはない、雪があればトラバースとハイクアップでかなりのコース外をせめられるなといった印象。 また、思うだけでなくちゃっかりノートラックをハイクアップの後に堪能。

   11日目(アンドラ〜フォン・ロミュゥ)
 アンドラ最後のスキー場、パス・デ・ラ・カザはフランス国境にある。 ベースの標高2000m、レジデンスが軒を連ね、ティーニュを思い出させる。 物価の安いティーニュといった感じ、スキー場の規模も積雪量もアンドラで、いやピレネーで一番でしょう。 フランス側もスキー場にしてしまえばいいのに、と思うほど広く雪山が続いている。 フランス・スペインはもとよりイギリス方面からもたくさんの人々がヴァカンスに来ていた。 この日は運悪く強風の為リフトがほとんど動かず、わずかに動いているリフトにはかなりの行列ができていました。 あきらめて帰ろうかと思ったら、ゲレンデの隅っこにレールとキッカーが小さくひとつずつ。 リフト待ちに飽きたイギリス人やスペイン人のグループに混ざって“ミニ”エアー&グラインド大会をしてきました。 一応日本代表ですな。
 午後、スキー場を発ちフランスに戻ろうとすると、国境で何かをチェックしている。 慌ててパスポートをとりだし身構えていると、「シガレット?」と尋ねてきた、彼らは税関だった。 なるほどねぇ、買物天国アンドラ。

   12・13日目
 フォン・ロミュゥという街をベースに周辺にある6つのスキー場(レ・ザングル、フォン・ロミュゥ、など)を廻る、しかしどのスキー場にも魅力を感じることなくただ見るだけ。 また、ここはスペインとの国境が平野にあるためスペイン側に行くのがとても容易、もうこのときには右側通行への抵抗もないし国境を越えることにも緊張しなくなっていました。 スペインを少しドライブ、「バルセロナまで百数十キロ」なんて看板を目にするとそそられてしまう。 スキー場(ラ・モリナマセラ)にも行ってみましたが、高速リフト、ゴンドラなど日本に負けない設備を備えているにもかかわらず1日券15ユーロってどういうこと? アンドラに負けじとこちらもガソリンを含め物価がとても安い。 いや、フランスや日本が高すぎるのだろうか、スペイン側で給油とビールを買い込み明日からの帰路に備える。

   14・15日目(アヌシーに戻る)
 地中海を見るためにひたすら海を目指す。 ペルピグナンに着いたときは景色も空気も温暖、Tシャツ姿が気持ちよかった。 もうちょっとやそっとじゃ道にも迷わない、ぎりぎりまで海岸沿いのルートを選ぶ、こんな気持ちのいいドライブはできれば隣に女の子を乗せて走りたい。
 モンペリエ、ニームからローヌ川沿いを一気に北上、ヴァランス、グルノーブルを抜けてアヌシーへ。 クルマを手に入れて1ヵ月と少し、私と共に走った走行距離は1万キロになろうとしていました。
中央高地は
可哀相なくらい雪がなかった
あまりにも寂しげな
フランス側のトンネル入り口
スペイン側
盗賊はいなかったみたい・・・
入れなかったフォアのお城
丘(岩山?)の上にありました
標高1000mの都市
アンドラ
雪をつくるので
いっぱいいっぱい
雪はあれども
強風でリフト動かず・・・
滞在そのものは面白かった
フォン・ロミュゥ
地中海
ここまで来るとTシャツで十分


   まとめ
ピレネーはリフト券が安い、規模の大きなスキー場で1日券が25ユーロ、平均20ユーロ
2000m以上のスキー場がおすすめ、大きさは日本と同じかそれより小さい
買物するならスペインかアンドラです、でも買い込みすぎるとフランスへ入国する際、税関に引っかかる場合があります
雪のないときは本当にないらしいですが降雪機で補っています、フォン・ロミュゥあたりはコースだけ白くて後は草がはえているなんて、日本みたいでした。
スペイン、アンドラでコインランドリーを尋ねるとクリーニング屋になります(笑)

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